生活訓練施設とはどのような場所？活動内容を詳しくご紹介！

生活訓練施設と聞いて、その内容を明確にイメージするのは、難しいのではないでしょうか。生活訓練は、障がい者総合支援法にさだめられた「指定障がい者福祉サービス」のなかの一つで、日常生活に困りごとを抱えている方々が、施設の利用を通して「自立した生活」を送れるようになるために利用されています。

今回は、生活訓練施設についてご紹介しましょう。

生活訓練施設

課題を克服するための施設とお伝えしましたが、具体的にはどのようなことを行う施設なのでしょうか。

生活訓練とは

生活訓練とは、障がいをお持ちの方に対して、入浴・排せつ・食事など、「日常の生活を自立して行える」ように訓練したり、生活に関する相談やアドバイス、その他必要な支援を行ったりすることを言います。対象となる方の例として、施設や病院から退所・退院された方や、支援学校を卒業し地域の生活へと移行されるにあたり生活の能力を維持、向上の支援が必要な方などがあげられます。

自立した生活の定義

生活訓練施設は、生活能力の維持・向上を図り、日常生活を自立して営んでいけるように訓練を行います。しかし、人それぞれ「自立した生活」を送るために必要な訓練は、異なるのではないでしょうか。「生活リズムの改善」が自立した生活を営むための課題とする方はリズムを整えること、人とのコミュニケーションが課題の方は、コミュニケーション能力を高めることが自立した生活を送るために必要でしょう。利用される方がどういった点を改善するために訓練するのか、支援・相談を必要としているのかによって、利用目的も異なります。

施設で行うプログラムの内容

施設では、さまざまなプログラムを通して、自立した日常生活を送るための訓練を行います。たとえば、生活系プログラムでは、食事・洗濯・掃除・金銭の管理や交通機関の利用方法等から訓練します。また、生活リズムの改善やストレス対処・アンガーマネジメントといった体調管理系のプログラムは、日々の生活に欠かせない訓練と言えるでしょう。

さらに、ソーシャルスキルトレーニング・社会のルール・マナーを訓練するコミュニケーション系も学びます。そのほか、パソコンスキルや応募書類作成、面接練習など就労に必要なスキルの訓練まで多岐にわたるのです。施設を利用することで、さまざまなことを経験する機会が得られるでしょう。

生活訓練施設の種類

生活訓練施設の種類である、通所型・訪問型・宿泊型について、ご紹介しましょう。

通所型

施設に通って、日常生活を送るために必要な支援やアドバイス、自立に向けて必要な能力を身に付ける訓練を行います。一般的には午前中から訓練を始め夕方まで行いますが、その日の体調や家庭の事情などによって午前のみ、午後のみなど選択できます。

施設では、パソコンを使用したり、ほかの利用者の方とのグループワークを行ったりなど、いろいろなことを訓練・経験できるのです。毎日同じ時間に通所することで、生活リズムが改善され、体力の向上につながることも、通所型のメリットといえるでしょう。同じように施設で訓練をしている大勢の仲間とともに過ごす時間も、とてもいい経験になります。

訪問型

訪問型は、支援者が訓練を受ける方の自宅に訪問して、訓練を行います。自宅で訓練を受けられるメリットは、通所が難しく感じる方にとって、負担を軽減できる点でしょう。たとえば、一人で外出するのが難しい方や、たくさんの人と接することに抵抗がある方などが挙げられます。

訪問型の訓練は、生活リズムを整えることからはじめ、地域生活を送るうえで欠かせない能力を向上させるための訓練が主な内容です。洗濯・掃除・ゴミ出しなどの生活に直結する訓練を始め、役所や銀行・病院を利用するための訓練なども含まれるので、通所型と併用すると、より多くの課題に対する訓練を受けられるでしょう。

宿泊型

昼間に仕事をされている方や障がい福祉のサービスを利用されている方が、休日や夜間に施設に宿泊し、必要な支援や訓練を受けられます。また今後、一人暮らしやグループホームで生活したいと考えている方が、夜間の生活の場所として利用される場合もあります。

宿泊ができる施設の設備を利用し、他の利用者との共同生活を通して、自立した生活に必要なさまざまな経験を積めるでしょう。入浴や着替えなどの生活面の訓練を行ったり、健康管理や日々の生活に関する相談をしたりすることも可能です。

まとめ